赤い刻印 - Secret Love -
その時の先生に対する態度、
そして今の私への態度を見れば彼女の想いは一目瞭然だ。
私は固まったままの彼女を置いて階段を降り始めた。


「…矢沢さん。私ね、見ちゃったの」


香川のその言葉にぴたっと足が止まる。

「1週間前の放課後、矢沢さんと先生がキスしてるところ」
「!?」
「その後しばらく出てこなかったよね?鍵までかけて」

サーッと全身の血の気が引いていく感覚。
私は階段を下りる中途半端な姿勢のままフリーズしてしまった。

「な、何言ってんの?見間違えでしょ」
「これでも?」

香川が私の目の前にデジカメを差し出した。

「…!」
< 73 / 238 >

この作品をシェア

pagetop