赤い刻印 - Secret Love -
優等生の裏の顔
「矢沢さん」
香川の声に私はゆっくりと振り返った。
「何?」
「先生に掲示頼まれちゃって。矢沢さん後で手伝ってほしいんだけど」
賑やかな休み時間の教室。
そんな状況の中でもクラス中の視線を一心に集めてしまった私たち。
無理もない。
クラスで浮きまくってる一匹狼の香川が、中心グループにいる私に声を掛けるなんて。
「はあ?何指図してんの!?」
それを見ていた麻美がすかさず横から割り込んできた。
「アンタが頼まれたんでしょ?何で一沙がやらなきゃいけないわけ?」
「いいの麻美!」
私は麻美の言葉を遮るように慌てて口を開いた。
案の定、麻美は不思議そうな顔で私のほうを見ている。
「香川さん、放課後でいい?」