赤い刻印 - Secret Love -
「まあ。"アイツなら責任持ってやってくれる"と思ってるんじゃない?」
「確かに香川に頼んでおけば安心だろうしね~」

成績優秀で真面目。
先生たちには一目置かれてる子だから信頼されて当然だろう。

「みんなそう」
「え?」
「親も先生も。そういう過度の期待がたまらなく重い」
「…」

そう呟いた香川の表情は俯いているからよく分からない。
だけどその言葉に重いものを感じて、私は何も言えなくなってしまった。

「そうだ!来週の課外授業、一緒に行動してよ」
「へっ?」

香川の突然の言葉に首を傾げる。
確かに来週、授業の一環で近くの介護施設に行くことになってるけど。

「でも私、麻美たちと約束して…」
「忘れたの?あの約束」
「…」
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