赤い刻印 - Secret Love -
だけどね、香川。
私だって明日はアンタと同じ立場になってるかもしれないだよ?

香川が思うよりも私たち、ずっと脆い。
誰かを叩くことで繋がってる。
少しでもはみ出る奴がいれば次のターゲットはその人になる。
今までもずっとそうやってきた。

「ていうかさ、何でさっきから当たり前のように呼び捨てなわけ?」
「へっ?」
「香川呼び。言いなりの立場で呼び捨てはないわぁ」
「あー!ごめん。いつもの癖で」

そう言ってからハッとして口を押さえた。

「いつも影で香川と呼んでたわけね。まあ大体そうだと思ってたけど」

あからさまにムッとした表情で横を向く香川。
そのふてくされた表情が面白くて思わず吹き出してしまった。
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