赤い刻印 - Secret Love -

彼はクラスで1番気心が知れてる男子だ。

「最近アイツと仲良いんだな」
「香川のこと？別に仲良しなわけじゃ…」
「気をつけたほうがいいぞ」
「え？」

やけに神妙な面持ちでそう言う文幸。
普段あまり見ない表情に、思わずまじまじと彼の顔を覗き込んだ。

「俺、小学校から同じだったんだけどさ。昔からあんまり良い話聞かないから」
「そうなの？」
「表は優等生。でも裏では結構…って噂」
「えー何それ？」

私は敢えて何も知らないふりをした。
香川のダークな部分なんて知ってるけど。

「ああ見えて超遊んでるとか？」
「そういうキャラじゃねーだろ、どう見ても。あんまりこういうこと言いたくねーんだけど」