赤い刻印 - Secret Love -
私はあまり気乗りがしないまま香川と街へと繰り出した。
今は雑貨屋に入っていった香川を店の入り口でボーッと待っているところだ。
「はい、これ持ってて」
「?」
足早にお店から出てきた香川が、私に大きなエコバッグを手渡してきた。
何気にそれを受け取った私はその中身を見て唖然とする。
そこには明らかにお会計をしてない雑貨たち。
だってここの雑貨店は、どんなに小さな商品でも丁寧に包装してくれるはずだ。
ということはやっぱり…
これって万引き!?
「香川、これ…っ」
「行くよ」
慌てる私の腕を引っ張りながらお店から離れていく香川。
「待って!」
数メートル歩いたところでようやく香川が足を止めた。