ただ、逢いたくて―P.S.愛してる―
「嘘つき..」
あたしのペンダントには晴輝の名前を。
晴輝のペンダントにはあたしの名前を。
プレゼントしてくれたのは貴方でしょ?
「馬鹿」
全て貴方のためだったから。
貴方が選んだ道なら――…
離れる事ぐらいどうって事ないよ。
でも、あたしには無理だった。
貴方のいない未来を生きるなんて事は。
あたしはそんなにいい子じゃないよ。
あの日の自分を悔やんでばかりいる。
後悔以外の何ものでもない。
あたしの中の時間はあの日以来...
止まったまま。
「ねぇ、答えて――…逢いたいよ晴輝」
あたしの涙は底を尽きる事なく流れ続けた。
今日が土曜日でよかった。
今日だけ、
今日だけは過去に浸ってもいいよね?
貴方を思い出してもいいよね?
貴方の嫌いな思い出を記憶として辿ってもいいよね?
「晴輝...」
ペンダントはあたしの気持ちごと過去へ引き戻してくれた。