ただ、逢いたくて―P.S.愛してる―
*過去*
秋は過ぎ、季節は粉雪の舞う冬。
「寒ーい」
「俺の手、暖かいでしょ?」
彼はあたしにハニカんだ笑顔を向けた。
「きっと心が冷たいんだねー」
「じゃあ菜っちゃんは心が暖かいの?」
「うーん、多分」
「へぇ」
あたしは彼の手をギュッと握った。
「晴輝」
「何?」
「なんでもなーい♪」
「何それ」
ただ隣にいるだけ。
それだけだけど、あたしには幸せすぎて怖いくらいだった。
そういえば…
「クリスマス楽しみだね!」
「もう、そんな時期かぁ」
「晴輝はどうするの?」
「え?もちろん、菜っちゃんとラブラブする~♪」
「冗談じゃなくてー、欲しい物とかある?」
「冗談じゃないんだけど!菜っちゃんが欲しい♪」
だって、あたしって言われても..
「他は~?」
「愛♪」
「愛~?ワザと言ってるでしょ」
「ワザとだったたら言わないし、言えないだろ?」
「う…」