~インフェークツィヤ~
『はぁ…やっと着いたよ』


ため息混じりに言う夏


『夏様、第1C駐車場の42番に駐車いたしました』


スマートフォンからのサリィの声が聞こえた


『お!ありがとな!サリィ!』


『それではまた』


『おう、さて急がないと講義遅れるな…』


講義を全てなんとか受けて家に帰る途中

不思議なものを見た

公園の林の中でボロボロの服装で出歩く若い男性

なのか?分からないが話しかけない方が身の為だと

考えて家へと帰宅した。



[次の朝-高宮家]


『夏兄?そういやニュース見た?』


『ん?なんかあったんか?』


『いや、それがさ、夏兄の大学の近くで行方不明に
なってたおじいさんが発見されたんだって』


『ほー知らんかったわ』
(あの時の若い男性だったのだろうか?)


『それでさ、何故か死亡時間が合わないんだよね』


『どう言う事だ?』


『えっと、本当なら2日前に死んでいるのに筋肉がつい最近まで使われていた形跡があったんだってさー』


『ものすごくざっくりした説明だな』


『あまりニュースになってないからネットでも都市伝説とか陰謀論とか言われてるよ』


『世の中不思議なこともあるもんですなぁ』


『あーもう、夏兄は本当におちゃらけ星人だな!』


『HAHA!それはどうも!』


内心焦っていた、何故あそこに死んだ人間が動いていたのか、アニメとかならゾンビとかあり得るのだろうがここは現実…ありえないのだ

事件があった公園に向かうことにした。


『ったく、確かここら辺にいたような?』

公園の茂みのなかを確かめていたら


『ん?なんだこれ?』


不思議なメモ用紙を見つけた、とても汚れていて見づらいが…

『たす…け…て?助けてって書いてるのか?』


誰に当てた手紙だろうか、検討もつかないが何故紙に書いたのだろうか?メールとかSNSしか使わないこのご時世に…疑問は頭痛を呼んだ。


こんな時は、古き良き友人に問い合わせをするに限ると考えたが…


『何が問い合わせだ、いまオンラインゲームの最中だぞ⁉︎』


幼馴染の山城 卓 (やましろ たく)18歳
小さい頃から一緒だった古い友人
ゲームオタクだが謎解きに関しては
感が良すぎて謎を作ってしまう男だ


『何独り言言ってるんだよ(笑)』


『大学生になったからどうせならアニメ風の紹介をしてみたかったんや』


『誰にだよ(笑)』


『まぁ、いいわ!この謎解けるか?』


今まであった事を話した


『なるほど、そしてこの手紙が落ちてたのか…』


『そうだ』


こいつなら解けると考えてたが
やはりあってたらしい


『これはな、手紙じゃないな』


『どうしてだ?』


『考えてみろよ、普通に助けてって緊急の時に手紙で書く奴おるか?』


『いないな、確かに…』


『普通なら、スマートフォンでもなんでも連絡出来るわけだ』


『おぉ!』


思わず叫んだが俺もここまではわかってる


『こいつは目の前の誰かに向けて紙の文字を見せた、きっと喋れなかったんだろう』


『なるほどなぁ、でも誰に?』


『問題はそこじゃない、誰にしてもなぜ《助けなかった》というところだ』


『お前これを聞きたいだけで電話しただろ』


俺の考えがバレていた…
古き良き友はやっぱりコワイナ


『お前一人言おおいぞ(失笑)』


『悪い悪い、んで検討つくか?』


『んーそれはわかんねーよ、それがわかったら初めから言っとるわ』


ですよねえぇ!わかっていましたとも!っと叫びたくなった


『とにかく、その公園にはもう行くな、巻き込まれたくないからな』


『おう、わかったぜ』


卓也の通話を切った後俺は大学へ向かった
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