君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
日付が変わる頃、店内の音楽が急に変わったのでびっくりして足を止める。
ピアノの音……!
澪音がクリスマスソングを演奏していた。急いでいたのか額には汗が光り、ジャケットがグランドピアノの上に無造作に置かれている。
今日、ここに来るなんて一言も言ってなかったのに……。
澪音が奏でるゴージャスなアレンジのクリスマスソングは、一瞬で店内のお客さんを虜にする。クリスマスツリーの隣で演奏する澪音は、絵画のように綺麗で格好良かった。
「彼、今日来てたんですね。彼の演奏まで聞けるなんて、やっぱり今日はとてもついてる」
杉崎さんが何杯目かのお酒を飲みつつ、澪音の演奏に耳を傾けている。
「そういえば、柚葉さんと俺が飾ったツリーも今日で見納めか。残念だな」
「それじゃ私がお客さんに仕事手伝わせたみたいじゃないですかっ……」
「ふふ、手伝わされましたよ。てっぺんの星ひとつ付ける分だけね。
俺は柚葉さんの頼みならいくらでも働きますから、必要なら言ってください」
曲が変わって、澪音は『ラストクリスマス』を弾いていた。私にとっては思い出深い、かつて澪音と一緒に弾いた曲。
「この曲好きなんですか?」と杉崎さんに聞かれて、つい聞き入ってしまったことに気がついた。
「すみません、ぼんやりして。すごく好きなんですよ」
「謝らなくていいですよ。良い表情で聞いてるから、見惚れちゃって。まるで柚葉さんが踊っているときみたいだ。
そうそう、帰る前に次回のレッスンの予約しても良いですか?」
ピアノの音……!
澪音がクリスマスソングを演奏していた。急いでいたのか額には汗が光り、ジャケットがグランドピアノの上に無造作に置かれている。
今日、ここに来るなんて一言も言ってなかったのに……。
澪音が奏でるゴージャスなアレンジのクリスマスソングは、一瞬で店内のお客さんを虜にする。クリスマスツリーの隣で演奏する澪音は、絵画のように綺麗で格好良かった。
「彼、今日来てたんですね。彼の演奏まで聞けるなんて、やっぱり今日はとてもついてる」
杉崎さんが何杯目かのお酒を飲みつつ、澪音の演奏に耳を傾けている。
「そういえば、柚葉さんと俺が飾ったツリーも今日で見納めか。残念だな」
「それじゃ私がお客さんに仕事手伝わせたみたいじゃないですかっ……」
「ふふ、手伝わされましたよ。てっぺんの星ひとつ付ける分だけね。
俺は柚葉さんの頼みならいくらでも働きますから、必要なら言ってください」
曲が変わって、澪音は『ラストクリスマス』を弾いていた。私にとっては思い出深い、かつて澪音と一緒に弾いた曲。
「この曲好きなんですか?」と杉崎さんに聞かれて、つい聞き入ってしまったことに気がついた。
「すみません、ぼんやりして。すごく好きなんですよ」
「謝らなくていいですよ。良い表情で聞いてるから、見惚れちゃって。まるで柚葉さんが踊っているときみたいだ。
そうそう、帰る前に次回のレッスンの予約しても良いですか?」