君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「ごめん」
部屋に帰ると、澪音が微かに眉を寄せて言った。
「……さっきの話ですか?」
「違う、さっきの男にダンスを教えるとかいう件なら、折れる気はない。その話はひとまず保留だ、今はやめておこう」
隣り合ってソファに座る。時計の針は深夜2時を指していた。今は、静かなクリスマスの夜更け。
「そうじゃなくて……
うっかりしてたんだ。日本のクリスマスがどんなものか、すっかり忘れてて。
悪かった、クリスマスイブに柚葉を一人にするなんて恋人として最悪だったな」
「それで、あんなに慌ててピアノ弾きにきてくれたんですか?」
頷いた澪音は、少し言いづらそうに言葉を続けた。
「気がついた時には、まともなプレゼントを用意する時間もなくて」
「気にしないでください。クロスカフェに来てくれただけで、凄く嬉しかったです。それにプレゼントなら、ついこの前これを貰ったばかり」
あの日以来、すっかりお気に入りのネックレスを少し持ち上げて澪音に見せる。
「それは俺の自己満足だから、柚葉へのプレゼントと言うにはさすがに気が咎める」
澪音はポケットから携帯プレーヤーを取り出して、私の手のひらに乗せた。
「今あげられるのはこれだけ。柚葉に作った曲が入ってるから」
澪音の言葉に息を飲んだ。
「本当に!?
全部?……これに!!
私ずっと欲しくて欲しくて!!これ以上のプレゼントはないです。嬉しすぎます。
うわぁ、どうしよう、ありがとうございます!」
部屋に帰ると、澪音が微かに眉を寄せて言った。
「……さっきの話ですか?」
「違う、さっきの男にダンスを教えるとかいう件なら、折れる気はない。その話はひとまず保留だ、今はやめておこう」
隣り合ってソファに座る。時計の針は深夜2時を指していた。今は、静かなクリスマスの夜更け。
「そうじゃなくて……
うっかりしてたんだ。日本のクリスマスがどんなものか、すっかり忘れてて。
悪かった、クリスマスイブに柚葉を一人にするなんて恋人として最悪だったな」
「それで、あんなに慌ててピアノ弾きにきてくれたんですか?」
頷いた澪音は、少し言いづらそうに言葉を続けた。
「気がついた時には、まともなプレゼントを用意する時間もなくて」
「気にしないでください。クロスカフェに来てくれただけで、凄く嬉しかったです。それにプレゼントなら、ついこの前これを貰ったばかり」
あの日以来、すっかりお気に入りのネックレスを少し持ち上げて澪音に見せる。
「それは俺の自己満足だから、柚葉へのプレゼントと言うにはさすがに気が咎める」
澪音はポケットから携帯プレーヤーを取り出して、私の手のひらに乗せた。
「今あげられるのはこれだけ。柚葉に作った曲が入ってるから」
澪音の言葉に息を飲んだ。
「本当に!?
全部?……これに!!
私ずっと欲しくて欲しくて!!これ以上のプレゼントはないです。嬉しすぎます。
うわぁ、どうしよう、ありがとうございます!」