君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「曲名を付けるのは照れるから勘弁して。最初の曲だって『柚葉のワルツ』としか書いてない。」
ストレート過ぎる名前に逆に私の方が照れてしまった。気恥ずかしくてじたばたしたくても、膝に澪音が寝てるのでじっと大人しくしているしかない。
「そういえば、この曲は私しか聴いたこと無いんでしょうか……?」
「勿論だ」
「こんなきれいな曲なのに、世の中で私しか知らないなんて、勿体無いですね」
「そんなことはない。
俺が『好きだ』とか『愛してる』と言う相手が柚葉だけで、キスをして触れたくなるのも当然君だけで、
それと同じように、ここにある曲を聴くのも柚葉だけがいい」
「……っ
わかりました。ひとりじめ、させてください」
寝転ぶ澪音の髪の毛を指先に絡めて、照れくささをやり過ごした。少し明るい色の髪はサラサラして柔らかく、いつまでも触っていたい気持ちになる。
「あの、オーナーがさっきシュトーレンって言うケーキをくれたんです。明日……というかもう日付が変わってるんで今日なんですけど、一緒に食べてくれますか?」
「シュトーレンって、懐かしいな。わかった、明日こそ早く帰るよ。夜は二人でゆっくり過ごそう」
「はい」
幸せすぎて、何故か少し泣きたくなった。涙を流さないようにぐっと喉の奥に力を込めて小さく息をつく。
私も澪音に用意したささやかなプレゼントを渡そうと鞄に手を伸ばした。
「澪音、大したものではないのですがこれを……」
ストレート過ぎる名前に逆に私の方が照れてしまった。気恥ずかしくてじたばたしたくても、膝に澪音が寝てるのでじっと大人しくしているしかない。
「そういえば、この曲は私しか聴いたこと無いんでしょうか……?」
「勿論だ」
「こんなきれいな曲なのに、世の中で私しか知らないなんて、勿体無いですね」
「そんなことはない。
俺が『好きだ』とか『愛してる』と言う相手が柚葉だけで、キスをして触れたくなるのも当然君だけで、
それと同じように、ここにある曲を聴くのも柚葉だけがいい」
「……っ
わかりました。ひとりじめ、させてください」
寝転ぶ澪音の髪の毛を指先に絡めて、照れくささをやり過ごした。少し明るい色の髪はサラサラして柔らかく、いつまでも触っていたい気持ちになる。
「あの、オーナーがさっきシュトーレンって言うケーキをくれたんです。明日……というかもう日付が変わってるんで今日なんですけど、一緒に食べてくれますか?」
「シュトーレンって、懐かしいな。わかった、明日こそ早く帰るよ。夜は二人でゆっくり過ごそう」
「はい」
幸せすぎて、何故か少し泣きたくなった。涙を流さないようにぐっと喉の奥に力を込めて小さく息をつく。
私も澪音に用意したささやかなプレゼントを渡そうと鞄に手を伸ばした。
「澪音、大したものではないのですがこれを……」