君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「澪音? ……え? ダンスですか?」
いきなりダンスの話になるなんて全く想像してなかった。
「今まで柚葉の躍りをちゃんと見たことが無かったから。いつか店で踊ってくれたときも、途中までで止めてしまっただろ。
ずっと見たい気持ちはあったんだ。でも同じくらい怖くて、これまで頼めなかった」
「怖いってどうして……?」
「それは後で話すよ。だから、柚葉が一番躍りたいと思うダンスを見せて。」
澪音と二人きりになったら気まずいと思っていたのに、あまりにも切実にダンスを観たいと言うので、それも忘れてしまった。
「それなら……今オーディション受けてるダンスチームの振り付けで踊りますね。
オリンピックの閉会式で見て、ここのダンスが忘れられなくて。ずっと憧れてるんです」
説明しながらストレッチをして準備した。澪音はソファに座って私が踊るのをじっと待っている。私は単純なので、踊ってと言われれば嬉しくてウズウズしてしまって、こんな時でも断れない。
「……あの、これスピーカーから音出せますか?」
「ん?貸して……ってこれで踊れるのか?」
澪音が携帯プレーヤーを操作すると、部屋に備えられている大きなスピーカーから澪音のピアノ曲が聞こえる。
「もちろん。澪音はダンスの曲じゃないって言ってましたけど、全然いけちゃいますよ」
部屋がとても広いのをいいことに、一切の遠慮なく跳び跳ねてターンをして、曲が終わるまでの間全力で踊った。
「……ええと、こんな感じなんですけど……」
躍り終わってみると今さらのように照れて、顎に伝った汗を拭いた。澪音は目を丸くしてこちらをじっと見ている。
いきなりダンスの話になるなんて全く想像してなかった。
「今まで柚葉の躍りをちゃんと見たことが無かったから。いつか店で踊ってくれたときも、途中までで止めてしまっただろ。
ずっと見たい気持ちはあったんだ。でも同じくらい怖くて、これまで頼めなかった」
「怖いってどうして……?」
「それは後で話すよ。だから、柚葉が一番躍りたいと思うダンスを見せて。」
澪音と二人きりになったら気まずいと思っていたのに、あまりにも切実にダンスを観たいと言うので、それも忘れてしまった。
「それなら……今オーディション受けてるダンスチームの振り付けで踊りますね。
オリンピックの閉会式で見て、ここのダンスが忘れられなくて。ずっと憧れてるんです」
説明しながらストレッチをして準備した。澪音はソファに座って私が踊るのをじっと待っている。私は単純なので、踊ってと言われれば嬉しくてウズウズしてしまって、こんな時でも断れない。
「……あの、これスピーカーから音出せますか?」
「ん?貸して……ってこれで踊れるのか?」
澪音が携帯プレーヤーを操作すると、部屋に備えられている大きなスピーカーから澪音のピアノ曲が聞こえる。
「もちろん。澪音はダンスの曲じゃないって言ってましたけど、全然いけちゃいますよ」
部屋がとても広いのをいいことに、一切の遠慮なく跳び跳ねてターンをして、曲が終わるまでの間全力で踊った。
「……ええと、こんな感じなんですけど……」
躍り終わってみると今さらのように照れて、顎に伝った汗を拭いた。澪音は目を丸くしてこちらをじっと見ている。