君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「杉崎さんって、本当に変な人ですね……。

でも、次のオーディションに落ちたら、付いていくのも悪くないかもしれませんね」


「俺に君のオーディション落選を祈らせろと言ってるの?酷くない?」


私も冗談か本気か、自分でもわからずに答えた。


憧れのダンスチームのオーディションは次が最終選考。これに落ちたら、その後の事は全部白紙で構わない。ダンスを止めて実家に帰るのも良いと思っていた。


お客さんにお酒を運んで、次は空いたテーブルを片付けて。黙々と仕事をしているとふいに幻聴が聞こえた。

聞こえるはずのない澪音のピアノ。見えるはずのない澪音の姿。




え……?
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