君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「あははっ、似てないし言ってることも全然違うよ。
正しくはこう。
『あなたには、何の落ち度もないので気になさらないで下さい。ただ、俺には愛している人がいるから、申し訳ありませんが今回の話は綺麗さっぱり、水に流して頂ければと思います。』
……柚葉、随分な曲解だな?」
澪音が意地悪く笑うので、いたたまれなくて顔を伏せる。
「うっ……。そんなだったんですか?
あのとき私、樫月家は代々奥さんが何人もいるって聞いたから早とちりしたのかも……ハズかしいし、悩んでた自分が馬鹿みたい。」
澪音が探るような視線を投げ掛けるので、続けて謝った。
「ごめんなさい。私、澪音に酷いことをたくさん言ってしまいました。澪音の相手は何人もいるんだと思ったら辛くて」
「それは誤解したせいだから別に良いんだ。父や祖父の妻が一人ではないというのも事実だからね。
そんなことよりも、あの料亭に一人で行くわけはないよな。俺を見たとき誰と一緒だった?杉崎とかいう男か?」
澪音は片方の眉を上げて、絡めた指先を撫でる。答えるまで開放してくれない様子なので、私はすぐに口を開いた。
「……そう、です……」
「柚葉の方こそ、あの場で男に口説かれていたわけだ」
正しくはこう。
『あなたには、何の落ち度もないので気になさらないで下さい。ただ、俺には愛している人がいるから、申し訳ありませんが今回の話は綺麗さっぱり、水に流して頂ければと思います。』
……柚葉、随分な曲解だな?」
澪音が意地悪く笑うので、いたたまれなくて顔を伏せる。
「うっ……。そんなだったんですか?
あのとき私、樫月家は代々奥さんが何人もいるって聞いたから早とちりしたのかも……ハズかしいし、悩んでた自分が馬鹿みたい。」
澪音が探るような視線を投げ掛けるので、続けて謝った。
「ごめんなさい。私、澪音に酷いことをたくさん言ってしまいました。澪音の相手は何人もいるんだと思ったら辛くて」
「それは誤解したせいだから別に良いんだ。父や祖父の妻が一人ではないというのも事実だからね。
そんなことよりも、あの料亭に一人で行くわけはないよな。俺を見たとき誰と一緒だった?杉崎とかいう男か?」
澪音は片方の眉を上げて、絡めた指先を撫でる。答えるまで開放してくれない様子なので、私はすぐに口を開いた。
「……そう、です……」
「柚葉の方こそ、あの場で男に口説かれていたわけだ」