君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
高速を降りると辺り一面に緑が広がった。所々に放牧されている馬が見えて可愛い。
「この辺りに乗馬クラブがあるんだ。騎乗して散策できるから、一緒に乗っていこう」
「え?乗馬って、私そんなセレブな趣味は全くできませんよ!」
「大丈夫。俺が教えるし、ここの馬は気性が優しいから柚葉ならすぐ乗れるようになる」
さっき買って貰った洋服に着替えて戻ると、澪音は白い馬の毛繕いをするようにブラシをかけていた。大きな馬が甘えるように、澪音の肩に顔をすりすりしている。
昼の日差しを受けた澪音の髪はいつもより明るい色に輝いて、馬とじゃれつく笑顔は優しい。
現実世界に白馬の王子さまっていたんだなぁ……と思うような光景だった。いつまでも遠巻きに眺めていたい。
「柚葉も馬と挨拶から始めるか。乗る前のコミュニケーションが大事なんだ」
澪音にブラシを手渡されて恐る恐る馬の体を撫でると、「ふんっ」と鼻を鳴らされた。澪音の時とは大違い。
「怖がらなくて大丈夫」
何度もブラシをかけるうちに馬が大人しくなり、「そろそろいいかな」と、澪音が馬に乗るのを補助してくれた。
「高いっ……馬ってこんなに背が高いの?怖っ……!」
「遠くを見るようにしたら怖くないから。背筋を伸ばして、重心を少し後ろにかけて」
澪音に隣を歩いてもらいながら辺りを一周する。その頃には恐怖心も消えて、緩やかな散歩を楽しめるようになっていた。
「少し待ってて」と言った澪音が、遠くの大きな黒い馬の背中に軽々と乗って隣まで馬を走らせる。隣に並ぶと一緒に広い高原を歩いた。
「この辺りに乗馬クラブがあるんだ。騎乗して散策できるから、一緒に乗っていこう」
「え?乗馬って、私そんなセレブな趣味は全くできませんよ!」
「大丈夫。俺が教えるし、ここの馬は気性が優しいから柚葉ならすぐ乗れるようになる」
さっき買って貰った洋服に着替えて戻ると、澪音は白い馬の毛繕いをするようにブラシをかけていた。大きな馬が甘えるように、澪音の肩に顔をすりすりしている。
昼の日差しを受けた澪音の髪はいつもより明るい色に輝いて、馬とじゃれつく笑顔は優しい。
現実世界に白馬の王子さまっていたんだなぁ……と思うような光景だった。いつまでも遠巻きに眺めていたい。
「柚葉も馬と挨拶から始めるか。乗る前のコミュニケーションが大事なんだ」
澪音にブラシを手渡されて恐る恐る馬の体を撫でると、「ふんっ」と鼻を鳴らされた。澪音の時とは大違い。
「怖がらなくて大丈夫」
何度もブラシをかけるうちに馬が大人しくなり、「そろそろいいかな」と、澪音が馬に乗るのを補助してくれた。
「高いっ……馬ってこんなに背が高いの?怖っ……!」
「遠くを見るようにしたら怖くないから。背筋を伸ばして、重心を少し後ろにかけて」
澪音に隣を歩いてもらいながら辺りを一周する。その頃には恐怖心も消えて、緩やかな散歩を楽しめるようになっていた。
「少し待ってて」と言った澪音が、遠くの大きな黒い馬の背中に軽々と乗って隣まで馬を走らせる。隣に並ぶと一緒に広い高原を歩いた。