君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「俺の気分が乗った時だけ弾いてやるから、聞きたければ精々仕事に励むんだな」
ニヤっと笑って意地悪なことを言う。
「うー……
いつでもたくさん聞きたいのに……」
極上のスイーツを一口食べた瞬間に、お皿を下げられてしまったような気分だ。
「ぶっ……。柚葉、どうしてさっきからそんなに犬っぽいんだ。『おあずけ』されたうちの飼い犬みたいだな」
「澪音が私にそうしてるからですよ!」
「ははっ、それは悪くないかも。
これまで柚葉にやられてきたことを、俺もやり返せるのか。」
「私は何もやってませんって……」
その後はどれだけお願いしても澪音は満面の笑みを浮かべるだけで、鍵盤に触ろうとはしなかった。
ノックの音がして、澪音が「入れ」と言うと執事の人が来た。澪音に夕食の予定を確認しにきたようだった。
「ここで二人で食べる?
柚葉はランチのときあんまり食べてなかったろ。腹減ってるんじゃない?」
「でも……私はそろそろ家に帰らないと」
そう言うと、執事の人が慌てて止める。
「この大雨と強風ですから、外に出られては危険です」
「茂田の言うとおりだ。今日はここに泊まっていけ」
二人から、さも当然というように言われると無理に帰るとは言えず、
「う……。はい、ではご厚意に甘えさせてください」
と、頭を下げるしかない。
茂田さんという執事の人は、嬉しそうに目尻を下げて
「それでは、すぐに夕食といたしましょう」
と深々とお辞儀をして部屋を出た。
ニヤっと笑って意地悪なことを言う。
「うー……
いつでもたくさん聞きたいのに……」
極上のスイーツを一口食べた瞬間に、お皿を下げられてしまったような気分だ。
「ぶっ……。柚葉、どうしてさっきからそんなに犬っぽいんだ。『おあずけ』されたうちの飼い犬みたいだな」
「澪音が私にそうしてるからですよ!」
「ははっ、それは悪くないかも。
これまで柚葉にやられてきたことを、俺もやり返せるのか。」
「私は何もやってませんって……」
その後はどれだけお願いしても澪音は満面の笑みを浮かべるだけで、鍵盤に触ろうとはしなかった。
ノックの音がして、澪音が「入れ」と言うと執事の人が来た。澪音に夕食の予定を確認しにきたようだった。
「ここで二人で食べる?
柚葉はランチのときあんまり食べてなかったろ。腹減ってるんじゃない?」
「でも……私はそろそろ家に帰らないと」
そう言うと、執事の人が慌てて止める。
「この大雨と強風ですから、外に出られては危険です」
「茂田の言うとおりだ。今日はここに泊まっていけ」
二人から、さも当然というように言われると無理に帰るとは言えず、
「う……。はい、ではご厚意に甘えさせてください」
と、頭を下げるしかない。
茂田さんという執事の人は、嬉しそうに目尻を下げて
「それでは、すぐに夕食といたしましょう」
と深々とお辞儀をして部屋を出た。