君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「文句、ありますよ!弥太郎さんみたいな性格の人は一人で十分です。
でも、一人はいてもいいから……
あのっ。病気はもう大丈夫なんですか?命に別状はないんですよね!?」
『馬鹿か。現代の医療を舐めるな。見ての通り、声以外は問題ない』
「そっか……良かった」
『今のお前の方が余程弱っている。長い話をして悪かった。もう寝ろ』
そう言った弥太郎さんは照明を落としてベッドルームを後にした。
今日は辛い一日だったけど、弥太郎さんに救われたな……。
弥太郎さんの話は、私への回りくどい慰めだったのかもしれない。弥太郎さんだって失恋しているのに、変な所で優しい人だ。
あまり似てないように見える二人だけれど、近くで弥太郎さんを見ると、スッとした顎のラインや整った鼻筋、少し大きくて形の良い唇は澪音とそっくりだった。
違うのは瞳の印象だけだ。アーモンド型の大きな瞳の澪音と、切れ長のシャープな瞳の弥太郎さん。
できるなら、これからも兄弟が仲良くいられますようにと願って眠りにつく。
私がそばで見ることはもう無いけれど、遠い世界で澪音を応援しているから。
明日には、このお屋敷を出るつもりだ。
でも、一人はいてもいいから……
あのっ。病気はもう大丈夫なんですか?命に別状はないんですよね!?」
『馬鹿か。現代の医療を舐めるな。見ての通り、声以外は問題ない』
「そっか……良かった」
『今のお前の方が余程弱っている。長い話をして悪かった。もう寝ろ』
そう言った弥太郎さんは照明を落としてベッドルームを後にした。
今日は辛い一日だったけど、弥太郎さんに救われたな……。
弥太郎さんの話は、私への回りくどい慰めだったのかもしれない。弥太郎さんだって失恋しているのに、変な所で優しい人だ。
あまり似てないように見える二人だけれど、近くで弥太郎さんを見ると、スッとした顎のラインや整った鼻筋、少し大きくて形の良い唇は澪音とそっくりだった。
違うのは瞳の印象だけだ。アーモンド型の大きな瞳の澪音と、切れ長のシャープな瞳の弥太郎さん。
できるなら、これからも兄弟が仲良くいられますようにと願って眠りにつく。
私がそばで見ることはもう無いけれど、遠い世界で澪音を応援しているから。
明日には、このお屋敷を出るつもりだ。