君に捧げるワルツ ー御曹司の恋と甘い旋律ー
「何って……今ちょうどお風呂上がりで……。
ていうか、今の澪音は人の格好をどうのと言える状態じゃないですよ、シャツが半分ワイン色に染まってるし。
ですからっ あのっ あんまり見ないで欲しいんですけどっ!!」
不機嫌極まりない表情に変わった澪音にたじろぎながらも、何とか言い返す。
「兄さんの前では平気で、俺に見られるのは嫌なのか?」
「だって弥太郎さんはいつもあんな感じなんですよ?」
「だとしても少しは警戒心を持て!」
「別に誰の前でどんな格好になっても、澪音にどうこう言われる理由は無いはずですけど……」
「柚葉、それは本気で言っているのか?」
その時、ホワイトボードをコツンと叩く音がして、振り返ると
『痴話喧嘩なら外でやれ』
と書いてあった。弥太郎さんが呆れた顔で私たちを見ている。
痴話喧嘩?
そもそもこんな口論になったのは、弥太郎さんのあんまりな言いっぷりに、澪音の前につい飛び出してしまったからなんだけど……!?
「兄さん、用件は済みましたので俺たちはこれで失礼します」
澪音はムスっとした顔のまま、私を抱え上げて部屋を出た。
「澪音、下ろしてっ、自分で歩けますって!」
「駄目だ、下ろさない。自由にさせたら何処へ逃げるかわからないからな」
足早に澪音は自室に戻り、扉を閉めると部屋に鍵をかけた。私を扉の前に下ろして、両方の肩に手を置く。
「俺の目の前から勝手に居なくなるなんて許さない。
どれだけ探したと思ってるんだ」
それだけ言うと、私を扉に押し付けるようにして荒々しく唇を塞いだ。
ていうか、今の澪音は人の格好をどうのと言える状態じゃないですよ、シャツが半分ワイン色に染まってるし。
ですからっ あのっ あんまり見ないで欲しいんですけどっ!!」
不機嫌極まりない表情に変わった澪音にたじろぎながらも、何とか言い返す。
「兄さんの前では平気で、俺に見られるのは嫌なのか?」
「だって弥太郎さんはいつもあんな感じなんですよ?」
「だとしても少しは警戒心を持て!」
「別に誰の前でどんな格好になっても、澪音にどうこう言われる理由は無いはずですけど……」
「柚葉、それは本気で言っているのか?」
その時、ホワイトボードをコツンと叩く音がして、振り返ると
『痴話喧嘩なら外でやれ』
と書いてあった。弥太郎さんが呆れた顔で私たちを見ている。
痴話喧嘩?
そもそもこんな口論になったのは、弥太郎さんのあんまりな言いっぷりに、澪音の前につい飛び出してしまったからなんだけど……!?
「兄さん、用件は済みましたので俺たちはこれで失礼します」
澪音はムスっとした顔のまま、私を抱え上げて部屋を出た。
「澪音、下ろしてっ、自分で歩けますって!」
「駄目だ、下ろさない。自由にさせたら何処へ逃げるかわからないからな」
足早に澪音は自室に戻り、扉を閉めると部屋に鍵をかけた。私を扉の前に下ろして、両方の肩に手を置く。
「俺の目の前から勝手に居なくなるなんて許さない。
どれだけ探したと思ってるんだ」
それだけ言うと、私を扉に押し付けるようにして荒々しく唇を塞いだ。