仮面をかぶった王子
学校に着き、ガラガラッと扉を開けて、自分の机まで行った。
小草とは少し遠い席なので、別れてから席に着く。
今日は少し遅くなったのか、先生がすぐに来た。なんか今日は先生の扉の開け方がなんていうか、強引だった。
私の読み通り、先生はドンッと強く机を叩く。先生、馬鹿力って自覚してないのかな。そろそろ自覚しないとなにかと物が壊れちゃうと思うし。誰か言ってあげた方がいいと思うけど。
「もう少しで、文化祭の準備が始まるだろ」
やっぱり、文化祭ね。
「何をやるか今日のホームルームで決めたいと思う」
そっか。でも、これといってやりたいものなんてないな。
「学級委員。頼むぞ」
小草が「はい」と立ち上がって、隣にいたもう一人の男子を呼び、黒板の前に立つ。
小草は学級委員なんだよね。大変そう。
「高校初めての文化祭です」
そう言って小草はスッとチョークで「文化祭の出し物」と大人っぽい字で書き始めた。
「できれば、みんなで協力して成功させたいと思います。それでは、何か意見がある人はいませんか?」