ヤンデレくんとツンデレちゃん


翌朝、エントランス前に


「おはよう」


やっぱりアイツがいた。


「……おはよ」

「おはようの、」


キスなんてするかっつーの。


「ハグをしよう」

「……は?」

「梁ちゃん、ボクにギュッとされるのすきでしょ?」

「…………」

「すきでしょ?」


しつこい。


「……っ、行くよ!」

「否定しないんだ? 好きなんだ?」

「朝っぱらからマンション前で抱きついて来られたら迷惑」

「それじゃあ、帰り際に“また明日”のハグをしよう」

「どっちにしろ迷惑」

「ここが嫌だってなら、数十メートル手前でしよう。だけど帰る前だと余計に離れたくなくなっちゃうかな。そのままボクのこと持って帰ってくれる?」


「……1秒で離れてやる」

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