ヤンデレくんとツンデレちゃん
「南の島に行きたいね〜、常夏☆」


またそんな、突拍子もないことをいう。


「これからどんどん暑くなってくるんだから、逆に涼しい地域に逃げたいよ」


北海道とか……

いや、でも北海道も夏は暑いの?


「南極?」

「殺す気か」

「ペンギン好き?」

「……うん。まあ、ペンギンはね」

「梁ちゃんって暑いとこも寒いとこも苦手なの?」

「いや南極得意な人は、なかなかいないと思うよ」

「それじゃあ無人島にしよう」


食いつきにくいラインナップだな?

なぜクラスメイトのあんたと南極や無人島に行くのよ。

いや、家族とも行かないわそんな場所。


「行ってらっしゃいお元気で」

「梁ちゃんも一緒に行こ♪」

「やだよ。島なんて虫が多そうだし……不便だし。無人島でどうやって生活するの」

「島っていいよー。最高だよ」

「そうかなぁ?」

「ボクが毎日、梁ちゃんのために愛情こめてご飯作るね」


お金持ちの坊ちゃんとはいえ、コイツならターザンみたいになんでもやってのけてしまいそうだ……。


「島ってだけで、開放的じゃない? なんにも縛られずにすごしたいなぁ」
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