ヤンデレくんとツンデレちゃん
そのへんは義理堅いというか。

約束は、守るんだね。


「梁ちゃんと♪」

「この会話無限ループする気?」


「席についてー」


担任と一緒に知らない女子生徒が入ってきた。


……誰?


「すっごく綺麗な子」

「まさか、転校生?」


教室がざわつく中、


「梁ちゃんのジュリエット見たいなぁ。一緒に出たいなぁ」


しつこすぎる、愛……。

ちょっとは教卓の前に立ってるあの子に注目しろ。


「えー、今日は最初に転校生を紹介する」


こんな時期に?


「台詞を忘れたときはボクがコッソリ教えてあげる。梁ちゃんの分まで覚えておく。そうだ、衣装はボクが作るよ。とびきり可愛らしいのを。あ……でも、あんまり可愛すぎたら人に見せたくない、いや、梁ちゃんは存在するだけで可愛いのに舞台に立たせたらファンが1万人くらい増えてしまう……」


一向に口をとじる気配がない。

いい加減にしろ。
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