ヤンデレくんとツンデレちゃん
「ここに座る」


――え?


「あなた、席変わって」


声をかけられたのは、あたしだ。


「めぐむの隣がいいの」

「あ……はい」


ワガママな人だな。

普通だったら、こんなときは先生の指示に従って座席を決めるべきところなのに。


まあいいか。

愛からの授業妨害が、これでなくなるわけだし……。


立ち上がろうとした、そのとき。


「だめだ、未兎。そこは梁ちゃんの席」

「!」

「うしろにでも座ってなよ」


すると、転校生が目を見開きあたしをジロリと見た。


「あなたが……“梁ちゃん”?」


この子、あたしのこと知ってるの?
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