ヤンデレくんとツンデレちゃん


口をあんぐりあけるその子を見て、状況に気づく。

勘違いされてしまいそうなシチュエーションだ。


「なにもしてません……!」


慌てて愛から無理矢理離れる。

が、簡単に抱き寄せられてしまった。


「ちゅーだけだよ? 至ってピュアなボクらだよ」

「いちいち解説すんな!」


「稽古こないでなにしてるかと思ったら……あんたかよ」

「へ?」


あたしを睨みつけてくる。

この目、どっかで……


「あ!!」


わかった。この人が、誰か。


「え……うそ、」

「言いたいことあるならハッキリ言えば」

「男だったの?」

「そうだけど」
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