ヤンデレくんとツンデレちゃん


部屋から花澤さん、いや、花澤くんが出ていく。


「愛、ちょっと離して」

「え?」

「いいから。お願い」


あたしは愛の部屋を出て、花澤くんを追いかける。


「待って!!」

「なに」

「……いいの?」

「なにが」

「やりたかったんじゃないの? ジュリエット」

「!」


目を見開く花澤くん。

間近で見ても本当に女の子みたいに可愛い顔してる。



「許嫁って嘘ついたのは……愛のこと好きだから?」

「それはないよ。キャーキャー騒がれるのがウザいから女のフリしたいだけで、女になりたいわけでも男と恋したいわけでもない」

「……そっか」

「なに追いかけてきてんの。戻りなよ、めぐむのとこに」

「寂しかったの?」

「……!!」
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