ヤンデレくんとツンデレちゃん
「まぁまぁ。いらっしゃい」
「お邪魔します。こちら、つまらないものですが」
おばあちゃんになにか渡す愛。
手土産なんていつの間に用意したの。
もしや朝からくる気満々だった!?
「ごめんね、手ぶらで」と遠慮がちに玄関をくぐったのは千穂だ。
「いいのいいの。むしろいきなり呼んでごめんね」
愛と2人きりになって、前みたいに甘い雰囲気になったらどうしようと思い。
咄嗟に千穂を誘ってしまった。
「……“THE 庶民”って感じ」
「わるかったな」
ついでに未兎にも声をかけた。せっかくだから、一緒にどうかなーと。
ノリ気な愛と違って、イヤイヤついてきた感じだ。文句があるなら帰ってくれて結構。
わかってはいたが、あたしの部屋に4人はさすがに狭い。
ま、なんとかなるか。
「ここが梁ちゃんのベッドかー」
「枕嗅ぐな!」