ヤンデレくんとツンデレちゃん


「……こんな格好してるから?」


じっと顔を覗き込んでくる、未兎。

なになに?


「僕がこんな格好してるから梁は油断してるの?」


――え?


「油断……って?」


ぐっと近づいてくる未兎。

その距離、若干数センチを残してすぐ隣までやってくる。


「守ってくれるはずのアイツは夢の中」

「え……と、」


声まで可愛いよね。未兎。

触り心地の良さそうな頬には思わず触れたくなる。


「男ってわかってんのにそういうこと言われるなんて僕も舐められてるんだなって思って」

「?」

「同級生の女なんて嫌いだった」

「……?」

「でも、梁は……」

「未兎……?」

「僕の中身知っても、こうして変わらずに接してくれるんだね」

「もちろん」


すると、未兎が顔を赤らめる。


「……ありがと、梁」
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