ヤンデレくんとツンデレちゃん


 ◆


梁の出ていった部屋で、勉強道具を片づける未兎。


「なにやってんだろ、僕」


鞄に詰め込むと、立ち上がる。


「帰ろ」

「――なに、さっきの」

「……え……」


グイッと未兎の腕を掴むとベッドに張り倒したのは、愛だった。


「な……めぐむ、寝てたんじゃないの?」

「半分ね」

「…………」

「梁ちゃんになにしようとしたの、未兎」

「どうしたの。なにキレてんの」

「答えてよ」

「ちょっとからかっただけじゃん」

「キスしようとした?」

「!!」

「梁ちゃんの手、柔らかくて気持ちよかった?」

「怒んないでよ。手くらいで」

「その手、砕いてやりたい」

「は……?」

「未兎じゃなかったらバキバキに砕いてやりたい」

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