ヤンデレくんとツンデレちゃん
____________
自室の扉を開けると、
愛が、未兎に、のしかかっていた。
その絵図は、どうみても
か弱き美少女に襲いかかるケモノだ。
……うぇぇえええ!?
「ちょ、な、なにやってんの!?」
人の部屋で。
てか、2人で。
「んー? 劇の練習」
ニッコリ微笑む愛。
「そ、そんなシーンないでしょ」
あったら却下するし。
未兎もなに付き合ってんだか。
「なにそれ梁ちゃん」
「アイスティーだよ。あと、お饅頭……2人の口に合うかわからないけど」
「ありがとう」
ベッドから起き上がってやってくると、あたしからお盆を受けとりテーブルの上に置いてくれた。
一つ手に取るとパクリとかじりつく愛。
「うん、美味しい!」
「そう?」
「梁ちゃんの家で食べてるから余計に」
「あっそ」
「梁ちゃんからの『あーん』でもらえたら更に美味しくなるんだけどな?」
「するか」
「マウストゥーマウスでもいいよ?」
「どこに人工呼吸で饅頭与えるバカがいるの」
「饅頭なくてもいいよ? ほら、梁ちゃんのCO2注いで」
「二酸化炭素の変わりに饅頭たらふくつめてやろうか」