ヤンデレくんとツンデレちゃん



 *



「ああ、梁ちゃん……どうして梁ちゃんは、梁ちゃんなの? 恥をお捨てになって、今夜ボクのモノになって。永遠にボクを愛すとお誓いになって下さいまし」

「あたしの台詞とらないでよ。そして気持ち悪く改変するな」


舞台のあと、あたしは愛と校内をまわることになったのだが。


「なんで着替えないの」

「もうちょっとロミジュリごっこ堪能したいなと思って」

「目立って仕方ないよ」


歩くたびに振り返られる。

ド派手な衣装を着ているせいだ。


「見せつけたいんだ。こんなに可愛い女の子が、ボクのだってね」

「……ガキ」


見られたくないのか見られたいのかどっちなの。


「楽しかったね」

「……うん」

「出てよかったでしょ?」

「そう……だね」


まだ舞台にいた余韻に浸ってる。
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