ヤンデレくんとツンデレちゃん


今日は、眼鏡をかけていない。


「ちょっと部屋の外の空気を吸いたくなって」

「僕も」


そういうと、ロビーにあるドリンクバーの機械に向かう御影くん。

このお店はソフトドリンクが飲み放題なのだが、セルフサービスで好きなものをくみにくるシステムになっている。


「闇雲の相手疲れたんだ?」


クラッシュされた氷が大きな音をたててグラスに注ぎ込まれている。

ちょうどいいところまで入ると、手を引っ込めてグラスを機械から離し、氷はピタリとストップした。


「バレちゃった?」

「騒がしいヤツだよね」

「ほんとにね」


近づいてきた御影くんの両手には飲み物が。


「どっちがいい?」

「紅茶」

「ミルクかレモンいる?」

「……それじゃあミルクを」


あたしがそういうと、フレッシュとガムシロップを持ってきてくれた。


「ありがとう」

「どういたしまして」


御影くんがあたしの隣に腰を下ろした。


御影くんは女の子たちから引っ張りだこで、何度も歌わされてたなぁ。


「歌、上手だね」

「ほんと? ありがと」

「歌うの好きなの?」

「んー、歌も好きだけど楽器が好きかな」

「楽器って?」

「ギター」
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