ヤンデレくんとツンデレちゃん
わたしが、御影くんと、キス……?
「……俺、もう隠しきれない」
「!」
御影くんって、一人称“俺”だったっけ?
「単刀直入にいう。俺、あいつにお前渡したくない」
店員さんも他のお客さんも、今はここにいない。
けっして静かとは言えない店内で、あたし達の間に沈黙が流れる。
「あいつ、今は物珍しさでお前にかまってるけど、いつ飽きるかな」
そういうと、あたしの手からグラスを奪い、そばにあったテーブルに置いた。
「俺の方が幸せにしてやれる」
話し方が……いつもと、違う。
「好きなんだ。お前こと」
「……え……」
「ほんと、にぶいよな。ここまで言わないと気づかないんだ?」