ヤンデレくんとツンデレちゃん


グイッと腕を引かれる。


「来て」


店を出て階段を降り、店の裏手にやってきた。


表通りは人で賑わっているが、ここは静かなものだ。


そして、暗い。


「離して、御影くん」

「ほんとはわかってるんじゃないの。あいつは所詮お坊っちゃんで、釣り合わないって」

「……!!」

「あいつと付き合ってたらしんどいだけだって」

「…………」

「だから俺にしとけばいい」


耳元で囁かれておかしくなりそう。


こんなの、御影くんじゃ、ない。


「あいつのとこになんて、戻したくない」
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