ヤンデレくんとツンデレちゃん


勝手に迎えにきたかと思えばおはようのキスなんて求めてきたり。


日頃からとにかく発言がおかしいし。


落ち込み具合が病んでるんじゃないかと疑うレベルだし。


ストーカー手前というよりはストーカーだし。


強引だし、唐突だし。


だけどね。


「好きになっちゃったから」

「……!!」

「惚れた欲目ってやつかな。ダメなとこも……嫌いじゃないんだよね。そのときイラっとしたのに、思い出すと笑えてきたり」


御影くんの腕から力が抜け、掴んでいた手を離される。


「それにね。あいつ、そんなに悪いやつでもないんだよ」


あたしに色んなことを教えてくれた。


人を好きになることはもちろんだけど、それ以外にも、たくさん教わった。


たとえば、笑うこと。


呆れるくらいくだらない冗談をいって笑わせてくれたおかげで、気づけば毎日が楽しくなっていた。


悩みなんてちっぽけに思えた。


あいつのおかげで友達も増えた。


苦手も克服できた。


「……そっか」

「ありがとう御影くん。あたしのこと、その……気にしてくれて」
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