ヤンデレくんとツンデレちゃん


「梁ちゃんから離れろ」


――!!


愛が、御影くんにつかみかかる。


「愛っ……!!」

「梁ちゃんはさがってて」

「…………」


「俺のこと殴るの?」


御影くんは、笑ってる。

今にも殴りかかりそうな愛が目の前にいるというのに。


「殴る? そんな生ぬるいことすると思う?」


愛が御影くんの耳元でなにか言ってるけど、よく聞こえない。


「……してやりたい」


なにを言ってるかわからない。

だけどものすごく怒ってる。


マイペースな愛がこんなに血相変えて誰かに迫るなんて思わなかった。

すごくすごく怒ってる。


「梁ちゃん。もうちょっと危機感もってよ」

「……え?」

「男と簡単に2人きりにならないで」

「でも。御影くんは、クラスメイト……」

「お願い。梁ちゃん。抱きしめられたりしないで」


慌てて愛にかけよる。


「ごめんね、愛」

「歯止めがきかなくなりそうなんだ」

「……え?」
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