ヤンデレくんとツンデレちゃん


御影くんがお店に戻って行く。


ぽつりと残された愛とあたし。


「……梁ちゃんの、バカ」

「はぁ?」

「でも、すき。大好き」

「なによ」

「ボクのこと、そんなに好きだったんだ。嬉しい」

「……っ、てか、いつからいたの?」

「最初から」

「は?」

「ロビーから。見てた」


えぇえ!?


「全部見てたの?」

「うん」

「……止めなかったんだ?」

「止めたかった。でも、できなかった」

「?」

「ボクね、気づいてたんだ。委員長が梁ちゃん好きなこと」


――え?


「いくらボクが梁ちゃん好きでも、あいつが梁ちゃんに気持ち伝えるのを邪魔する権利なんてないって思ったから」


それで止めなかったの?


「だけど、さすがにキスされそうになってたから、出ていくしかないよね」

「愛……」

「嬉しかった。ボクのこと梁ちゃんが好きなんだって伝わってきた。ありがとう」

「…………」

「だけどね?」


突然、手を掴んで持ち上げられた。

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