ヤンデレくんとツンデレちゃん
体育館で校長先生の挨拶を聞き、夏休みの諸注意などの説明を受けたあと教室へ戻る。
「梁ちゃーん」
「なに」
「今日から泊まりに行ってもいい?」
「ん……んん?」
「いいの?」
「待って呑み込めない」
「居候だよ、居候」
「だから意味がわからない」
「うちに呼んでもいいんだけど、それだとお祖母様が寂しいでしょ?」
「毎日一緒にいるつもり?」
「もちろん」
「それは……ちょっと、」
「っていっても、ボク、日中は拘束されちゃうからさぁ。夜に泊まりに行って、朝出発すると思うんだよね」
「それなら家にいたほうがいいよ。移動大変でしょ」
「でも、会いたいもん。梁ちゃんに。ていうか梁ちゃんの一声でボクの予定なんて全て梁ちゃんになるけどね?」
ならなくていいわ。
「じゃあ、電話しようよ」
「……電話してくれるの? いいの?」
電話のハードルどれだけ高いの。
居候よりはるかに低いだろ。