ヤンデレくんとツンデレちゃん


「そしたらボクからかけるよ。デートの具体的なプランは、改めて電話で立てよう」

「そうだね」


……デートって、思ってくれてるんだ。

愛も。


「梁ちゃん」

「ん?」

「ボクね、こうやって隣を向けばいつも梁ちゃんがいてくれるの凄く幸せ」

「……は?」

「朝、ボクが梁ちゃんの家まで迎えに行くとイヤがりながらも喜んでくれてたのも幸せ」

「最初の頃、ほんとに引いてたけどね」

「入学式から今日まで、あっという間だったね」

「そうだね」

「夏休みも。2学期も。冬休みも、3学期も、梁ちゃんと色んな想い出つくりたいなぁ」


愛は、好奇心旺盛な幼い少年みたい。


あたしに近づくことを恐れない。


まっすぐで。純粋で。


変なことばかりいうクセに


恐ろしいこともいうクセに


「梁ちゃん大好き」


ワンパターンなくせに……。


「好き。梁ちゃん」

「ああもう。聞こえてる」


やっぱりあたしをドキドキさせてしまうんだ。

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