ヤンデレくんとツンデレちゃん



『梁ちゃーん。こんばんは』


約束通り、夏休み初日の夜、愛はあたしの携帯に電話をかけてきた。


時刻はまもなく22時。


「……こんばんは」

『今日はなにしてたの?』

「え? それは、夏休みの課題とか……まあ、色々と」

『……梁ちゃん……』

「ん?」

『電話すごいね。梁ちゃんの声が耳元からダイレクトに伝わってきてヤバイ』

「……は?」

『イヤホンしてるんだけど最大音量まであげてて、もう大変』

「なにが」

『ちなみに録音してるから切ったあと無限再生しようと思うんだよね。そのときはもっとボリュームあげてみようかな。そしたら出血多量も覚悟せねば……』

「切ろうかな。ただちに」

『そんなこと言いながら繋いでてくれる梁ちゃんが好き』

「……ハイハイ」

『あ。照れた』

「……っ、電話でもめんどくさいやつだな」

『大好き、梁ちゃん』



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