ヤンデレくんとツンデレちゃん


『それじゃ、切るね』

「え、もう……?」


まだ会話し始めて数分なのに。


『そっ……』

「?」

『そんな、“もう”なんて言われたら……』

「いや……い、今のは……」

『永遠に切りたくない……むしろ今すぐ会って熱い抱擁をかわしたくて仕方ない、そっち行こうかな?』

「来なくていい」

『はは。簡単には行けないんだけどねぇ』


――?


まだこのあとも予定あるのかな。


「電話、用事終わってからでもよかったのに」

『そんなの何時になるかわからないし、夜更かしさせられないよ。梁ちゃんはゆっくり休んでね』

「……うん」


優しいよね、そういうとこ。

ほんとにあたしのこと一番に考えてくれてる。


途中意味わかんないことたくさん言われたけど。


この短時間によくあんなにおかしな発言できたな?


『あ、もちろん……いつかボクと梁ちゃんが一夜をともに明かすときがきたら、そのときは、夜更かしさんになってもらうけどね。寝たいなんて言っても寝かせないよ。思う存分愛し合――』

「切るね」

『……おやすみ、梁ちゃん』

「うん。おやすみなさい」

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