ヤンデレくんとツンデレちゃん


電話を切ったのは、あたし。


なのに


……なにこの名残惜しさ。


もうちょっと話してたかった。


切らずにいたら話せたのかな。


「って……それは愛に迷惑だろうが」


変な会話ばかりした。

ストーカーみたいに気持ち悪いアイツ。

だけど、それが愛らしくてホッとした。


“そっち行こうかな”

なんて、冗談でも言われて嬉しかった。


いや、あいつの場合、本気だろうが。

呼んだら無理してでも飛んで来そう。


だからこそ、言えない。


迂闊に“会いたい”なんてことは。


ちゃんと愛の予定が一段落つくまで待たなきゃ。


次は、いつ、会える?




「……ああもう。どうしてこんなに好きになっちゃったかな」



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