ヤンデレくんとツンデレちゃん


「ボクはね。そうやって油断しきった梁ちゃんが可愛くて仕方ないから、つい油断させたくなるんだ」

「あたしがいつ油断した?」

「ずっとだよ。ボクのこと舐めてる。だからほんとのボクをみたとき、梁ちゃんがどんな反応するかすごく楽しみだったりするんだよねぇ」


――は?


愛の言葉が理解できない。


「ねえ。どうしてボクを部屋にあげたの?」


「どうしてって……そりゃあ、入れてって言われたからだよ。追い返すわけないじゃん」


せっかく会いに来てくれたのに会わないなんて冷たいよね?


「“夜這い”って言ったよね」

「させるか」

「いいや、するよ。しにきたもん」

「またそんなこと言って……」

「本気だよ」



――いつもの、愛じゃない。



さりげなくあたしの腰に手をまわし


「もう我慢できない。梁ちゃん頂戴」


冗談みたいな口調でなく


ドキッとする声で、可愛く甘えてくる。


「めぐ……っ、」


名前を最後まで呼べなかったのは、不意にキスをされたから。


息が止まりそう。



『今夜だけは、甘えさせて』



愛はそういって、

あたしに覆いかぶさってきた。




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