ヤンデレくんとツンデレちゃん
夏休みが、3分の2ほど過ぎた頃。
「お友達だよ、梁ちゃん」
うちに、未兎がやって来た。
今日は、学校でしてるような格好はしていない。
生粋の美少年だ。
女の子の服でなくてもやはり可愛い。
黒い大きめのフードつきパーカを着て、ダメージジーンズをはいている。
首にはヘッドホン。
「迎えに来た」
「迎えに……?」
「めぐむのとこ行くよ」
「愛に頼まれたの?」
「違う」
呑み込めない。
「あいつ、今、どこにいると思う?」
「家じゃないの?」
「軟禁されてる」
――ナンキン!?
「だから、ほら。会いに行くよ」
どういうこと?