ヤンデレくんとツンデレちゃん
マンションの下に停められていた車に未兎とあたしが乗り込むと、車は出発した。
「全部、玉城の仕業だよ」
「玉城さん……?」
「あの女、ちょっと狂ってるよね。いくらめぐむと梁を近づけたくないからってさぁ」
「え……無事、なの?」
「どうだか」
「……!?」
「はやく行ってあげたほうがいいかもね」
随分と車を走らせ、気づけば景色が人里離れた森のような場所へとうつる。
「着いたよ」
降りた目の前に、立派な一戸建て住宅がそびえ立っていた。
「ここは……?」
「めぐむの別荘」
「え……愛の? 別荘!??」
インターホンをならす、未兎。
「……僕。うん、連れてきた」