ヤンデレくんとツンデレちゃん
ガチャッと開けられた扉の向こうに……
「いらっしゃい。梁ちゃん」
――え?
「待ってたよ」
「なんで……」
「ビックリさせちゃってごめんね?」
どうして愛の別荘に、千穂がいるの――?
「ほら。行ってらっしゃい」
ポンと未兎に背中を押され、千穂の前へ。
「ついてきて、梁ちゃん」
「……うん」
歩きすすんだそこは、
「わぁ」
露天風呂だった。
「脱いで」
……へ?
「ほらほら」
「……うん」
展開についていけないまま、とりあえず湯船につかる。
千穂は、行ってしまった。
「あったかい……」
心の芯まであたたまる。
それから、絶景だ。
自然に囲まれているから空気だっていい。