ヤンデレくんとツンデレちゃん


「完成」

「すごい……」


スタンドミラーにうつるのが自分だと思えない。


「千穂、プロみたい!」

「モデルがいいんだよ。わたしはちょっとお手伝いしただけ」

「そんなことない。あたしがひとりで全部こなそうと思ったら何時間かかるか……いや、1日が終わっちゃうよ」


白地に赤い金魚模様の浴衣が可愛すぎる。


「これ、千穂が用意してくれたの?」

「ううん、それはね。闇雲くんからのプレゼントだよ」


愛からのプレゼント……!?


「梁ちゃんに着せる日を楽しみにしてたみたいだから。それ着て会いに行ったらすごく喜ぶと思う」

「愛が……」

「今ね、闇雲くんも準備してるから」

「……??」

「闇雲くんの着付けは未兎くんがしてるんだけど。もう終わったかな?」

「未兎が……?」


って、待って。


「千穂って、未兎が男の子って知ってるの?」

「うん」
< 262 / 296 >

この作品をシェア

pagetop