ヤンデレくんとツンデレちゃん


突然重ねられた唇。


「バカ……まだ返事してないでしょ」

「見ればわかる。頬をピンクに染めて、ボクに見とれてたから」

「っ、それは、チークって化粧品のせいで。ピンクになってるだけで……」

「ホントかな? そうだ。もっと染めて証明してみせようか」

「何する気よ」

「この前したみたいなこと」

「……!!」


きっと、期間にしたら『たったそれだけ?』って疑問をもたれるくらいしか、離れていなかった。

だけどあたしたちにとって、それは、長すぎた。


だから、


会えて。

声を聞けて。


ぬくもりを感じられて、

死ぬほど嬉しかった。


「梁ちゃん、キスだけで火照ってる」

「……うるさい……」

「溶けちゃいそうだね」

「誰のせいよ……」


おかしくなっちゃいそうなくらい、あたしは愛のことが大好きだ。

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