ヤンデレくんとツンデレちゃん

「千穂が……！？」

「千穂は、玉城に逆らえないからね。ボクと梁ちゃんのこと応援してること、よく思われてなかった」


千穂、あたしのために……。


「玉城さん……どうして軟禁なんて……」

「玉城はね、悪いヤツでもないんだ。仕事はできるし、色々役に立ってくれる有能な人だよ。ただ、自分とボクを重ねてるだけなんだよね」


……重ねてる……？


「昔、親と離縁してまで恋人と一緒になった。だけど裏切られて帰るところがなくなった」

「え……」

「そんなときにボクの父が雇った」

「…………」

「だからボクの父に恩がある分、よく働いてくれる。梁ちゃんがってわけじゃなくて、他人のこと信じられないところがあるんだよね。でも、梁ちゃんがどんな子か知ればちゃんと認めてくれると思う。認めないなら認めないで、切ればいいし――」

「ダメ！！」

「え？」

「玉城さん切っちゃダメ」

「……なんで？　梁ちゃんとボクにとって邪魔者でしかないよ？」

「ダメだよ。ちょっとやり方はどうかと思うけど、愛のこと守ろうとしてるんだもん。身体のことも、心配してたし……」