ヤンデレくんとツンデレちゃん


「優しいね、梁ちゃんは」

「わかってもらえるように頑張る。あたしの気持ちが届くように。認めてもらえるように」


愛のお父さんが助けたってことはそれだけいい人なんだと思う。

それにずっと闇雲家のために仕えてきた玉城さんに、あたし、受け入れてもらいたい。


「……すぐに認めてくれるよ」

「そうかな?」

「ね? 玉城」


――え?


愛が、運転席に視線をもっていく。


「……人の過去、ベラベラ話しすぎよ」


えぇええ!?


「玉城さんっ……?」


運転手さん、玉城さんなの??


「ボクたちの邪魔、まだ続けるつもり?」

「…………」

「ちゃんと送ってよね? 行き先は――」

「S社主催の夏祭り、でよかったかしら」

「さすが玉城。仕事できすぎ。どっから情報仕入れたの?」

「さあね」
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